2011年12月16日(金)

「週刊てりとりぃ」創刊にあたっての前口上

 毎月第四土曜日に発行している「月刊てりとりぃ」は、昨年三月に数人の仲間と共に始めたフリーペーパーで、毎号百五十部、しかもコピー印刷というちょっとアナクロな手法で作成した、文字通り手作りの新聞である。現在八店舗(別項参照)で配布しており、一店だけ〈通販のオマケ〉という形で希望者にのみ先着で商品に同梱してもらっている。これまで郵送サービスは勿論のことPDFによるデータ送信も行なってい

ない。つまり自発的に設置店に足を運んだ人だけが読めるという寸法だ。
 誌面は私の友人を中心に、個人的な人脈から作詞家や作曲家、文筆家、編集者、イラストレーター、タレント、アナウンサー、写真家など様々な分野で活躍中の方々の寄稿で構成しており、創刊号こそ全八面だったが、翌月には十二面となり、それ以降は気まぐれに増減を繰り返しながら、現在は十六面がレギュラースタイル、時折り特大号と称した二十

面となっている。
 各人の〈てりとりぃ〉内で、趣味の領域において執筆した原稿を持ち寄るため話題は多岐にわたり、私自身、毎月一読者として原稿を受け取るのが楽しみで仕方ない。しかも今や執筆者は五十人を数え、さらに増加の傾向にある。
 「月刊てりとりぃ」創刊にあたって念頭に置いたのは、掲載原稿には何かしら〈発見〉または〈共感〉出来る要素が欲しいということだった。何も格式高く流暢な文体でなくとも構わない。書き手が楽しみながら書いた文章に、そのいずれかが備わっていればいい。まるで興味のない分野の記事でも発見や共感する要素があればいつかは何かの役に立つ(かも知れない)。
 ある程度の品位を保ちつつ、どこか闇鍋的ごった煮感が出ていればなお嬉しい。

実際、それを面白いと感じる読者は百五十人もいれば充分だろう。そんな思いで作ってきたが、創刊以来、バックナンバーの郵送サービス希望の問い合わせが後を絶たず、それならばとバックナンバーから〈ちょい出し〉してみようと相成った次第。ただ、安直に過去のデータをアップしてもつまらないので、再録は毎週一コラム。加えて新規コラム一本と執筆陣が関わった作品やイベント情報などを随時紹介していく。「月刊てりとりぃ」で敢えて無視してきた〈即時性〉に少しだけ目配せしようという訳だ。とはいえあくまで「週刊」は「月刊」の補遺的な位置付け。時に「週刊」が「隔週刊」にならないとも限らない。力まず気ままに更新していこうと思う。
︵濱田高志=アンソロジスト︶



宇野亜喜良〜展覧会のお知らせ

 ﹁毒気﹂と﹁無垢﹂、その双方を孕んだような独特のペン・ドローイングで日本を代表するイラストレーターとなった鬼才・宇野亜喜良。六〇年代に寺山修司の舞台作品で美術を担当するようになって以降、時代の寵児とも言われた彼の作風は、本稿読者なら既にお馴染みだろう。
 その宇野のエキシビションが、この年末年始にいくつか催される。十二月一七日からは、渋谷・道玄坂の

ポスターハリスギャラリーにて『宇野亜喜良展 ひとりぼっちのあなたに』が開かれる(来年一月二九日まで)。こちらは副題に「寺山修司と宇野亜喜良のコラボレーション」とあるように、寺山の生前は勿論、死後も続く2人のコラボ・ワークをまとめたもので、寺山の「叙情シリーズ」での表紙や挿絵、また現在神格

化さえされる天井桟敷をはじめとした演劇ポスターや舞台美術の原画などを展示。寺山のコトバと、耽美で可憐な宇野の世界の融合。その先鋭的な感覚で時代を牽引した「アート・ディケイド」の作品群がここにはある。ちなみに上掲した写真は、一九六九年寺山の舞台『毛皮のマリー』がドイツ人キャストで上演された際に、独エッセン市立劇場に招かれた寺山と宇野のショットである。
 また十二月二二日からは、池袋東武6Fの美術画廊にて第4回目となる「コレクション・オブ・アート・アンド・イラストレーション」が開催される。今回の展覧会では宇野をキュレーター(註・美術用語で博物館や美術館で展覧会の企画などを担当する役割のこと。近年この語彙から派生してIT用語としても使用される

宇野亜喜良展
ひとりぼっちのあなたに

寺山修司と宇野亜喜良のコラボレーション
2011年12月17日〜2012年1月29日
会場 ポスターハリスギャラリー
入場料 一般 300円
問い合わせ tel 03-5456-7218
●1月8日(日)19:30〜 宇野亜喜良ライブペインティング&サイン会 開催
(限定40名/入場料¥1500/要予約)
info@posterharis.com
http://posterharis.com/
第4回 Collection of Art and Illustration
メルヘニズム〜夢想の記述〜


2011年12月22日〜28日
会場 池袋 東武 6F 1番地 美術画廊
問い合わせ tel 03-5456-7218(代表)
http://www.tobu-dept.jp
機会が多くなっている)として開催されるもので、宇野をはじめとして総勢三五人のクリエイターが作品を提供。こちらの展覧会は副題に『メルヘニズム〜夢想の記述〜』とつけられていて、現代のファンタジック・アートが集結するイベン

トとなる。開催は十二月二八日まで。
 来年一月からは寺山の原作、宇野が美術監督を務めるプロジェクト・ニクスによる舞台「浅草版・くるみ割り人形」も上演される。そちらの情報はまた改めて。
︵戸里輝夫=ライター︶



週刊てりとりぃ「仕様書」のような覚え書き

 ﹁月刊てりとりぃ﹂のウェブ版、という位置づけでスタートしました﹁週刊てりとりぃ﹂。もちろんデジタル・メディアの利点を活用するために独自の企画を考えております。
 まず、週刊ペースでの更新ということでニュース性の高い情報はなるべく早くご紹介すべく、てりとりぃ執筆陣が関わったモノや強く推薦したいモノ、そうい

った情報をこの﹁週刊てりとりぃ﹂で可能な限り速報にてご紹介したいと思っています。
 限定一五〇部という限られた発行部数のワクをワールドワイドウェブの世界に解放する(笑)当ブログでは、過去「月刊」に掲載されたコラムのなかから厳選して﹁てりとりぃアーカイヴ﹂として再掲載していく予定です。どのコラムがい

つ掲載されるかは編集長の独断で決定しますが、そちらも是非ご期待ください。
 さて、インターネットの最大の利点でもある﹁マルチメディア﹂ですが、この﹁週刊てりとりぃ﹂で実現/公開すべく、既に編集長がいろいろと企画を携えて動いています。動画、音楽、写真、イラスト、あらゆる言語間のコラボが可能だからこその﹁マルチ﹂なわけですが、ヨミモノという次元を飛び出して、多用なオリジナル・コンテンツをご紹介していく予定です。
 また、当ブログの画面右側下には﹁てりとりぃ放送局」というオマケの一角を設けました。編集部が勝手にオススメしたい!という動画/音声コンテンツを紹介したりしちゃおうかな、と思っております。
 とはいえ﹁てりとりぃ﹂の得意ジャンルのひとつは

やはり〝ヨミモノ〟です。基本的にアップされるコンテンツは〝ヨミモノ〟であり、その為にこれまで日本のウェブ世界ではなかなか敬遠される傾向にあったタテ書きにトライしてみました。近年では縦に並んだ文字を読む機会も以前に比べるとめっきり減ったのでは、と推測されますが(だからこの縦書きブログが逆に新鮮さを持ってしまう、という面もあるのですが)いかがでしょうか? より美しいレイアウトを、という意味では今後も永遠に試行錯誤が必要であることは承知の上ですが、ご愛顧いただければ幸いです。
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 以下、技術仕様です。当ブログはBLOGGERによるブログ・フォーマットを使用していますので、基本的にはモダンブラウザをインストールしたPCでの

閲覧を想定していること、ブラウザ環境やOS環境によりレイアウト誤差が生じることをご了承ください。またブログの横幅を1080PX以上に設定しているため、それ以上の表示が可能なモニタが必要です。
 縦書きの書式は﹁涅槃ねはん﹂というJAVAスクリプトを使用して表示しています。JAVA設定を無効にしている環境では表示できません。MACOSX環境で制作/併せてスマホでの動作確認も行ってはいますが、機器による書体環境によって表示が変わります(本来この本文はモノスペース属性を持つ等幅明朝体で表示されるよう指定してありますが、iPHONEではゴシック体で表示されます)。縦書きレイアウトは一部の文字(括弧等)を画像で代用する、というシステムになっていますので、表示に

はタイムラグが発生する場合があります。また縦書き文章中にて「ー」(音引き)等、一部文字の表示が若干のズレを生じる場合があります。
 ブログ内コンテンツとして動画を張っていますが、動画を再生するにはYOUTUBEの閲覧システム条件が必須になります。
 至らぬ点も多々あるかと思いますが、フリーペーパー﹁月刊てりとりぃ﹂とあわせて、以降このウェブ版﹁週刊てりとりぃ﹂もよろしくお願いします。
︵大久達朗=デザイナ︱︶