てりとりぃ放送局アーカイヴ(2011年12月16日〜2012年1月1日分)

 このブログ画面右下(サイドバー最下部)にある「てりとりぃ放送局」という動画紹介コーナーは、あくまで<オマケ>というつもりのコンテンツだったので、更新する度に前のを消していく予定だったんですが、やっているウチにすっかり作業に夢中になってしまったこともあり、バックナンバーを残そうかな、と思い立ちました。時が経てば、もしくは動画のアップロード主の意向によっていつかリンクが消えることもあるとは思いますが、その点はご了承下さい。また、動画の権利はアップロードする人に帰属しますので、当サイトとは関知しない旨もご了承願います。(2011年12月16日更新分/選・文=大久)


Christmas Greeting from Michel LeGrand

 先日、ミシェル・ルグラン制作の超豪華なクリスマス・アルバムが発売になりました。イギー・ポップやカーラ・ブルーニ(あのサルコジさんの奥さん)も参加、ということからもそのラグジャリーさはすぐお判りいただけるかと思いますが、日本を含めて世界中で発売されている本作は、フランス盤(初回限定盤)が最も収録曲が多い全13曲のお買い得盤(iTune版はさらに1曲追加の全14曲)。上のビデオではそのダイジェストが、そして下のジャケ写をクリックしていただければ、公式HPにて13曲分の試聴が可能になっていますので、お試しあれ。

Michel Legrand / Noel! Noel!! Noel!!! 1. Jamie Cullum – Let It Snow 2. Madeleine Peyroux, Emilie Simon, Carla Bruni, Rufus Wainwright, Iggy Pop - Noël d’espoir 3. Madeleine Peyroux – Have Yourself a Merry Little Christmas 4. MIKA – Vive le vent 5. Emilie Simon – Santa Baby 6. Renan Luce – Le Père-Noël et la petite fille 7. Coeur de Pirate – Noël blanc 8. Carla Bruni – Jolis sapins 9. Iggy Pop – The Little Drummer Boy 10. Ayo – Santa Claus Is Coming to Town 11. Olivia Ruiz – Le Noël de la rue 12. -M- – Douce nuit


Bing Crosby & David Bowie / Little Drummer Boy〜Peace On Earth (1977)

 さて季節ネタなのでもう2つほど紹介させて下さい。上記ルグランのアルバムで「LITTLE DRUMMER BOY」を歌ってるのはイギー・ポップですが、もしかしたらイギーは彼の“兄貴分”が残したこの曲を意識したのかもしれません。こちらは77年に放映されたビング・クロスビーのクリスマスTVスペシャルでの一幕。クロスビーがゲスト出演のデヴィッド・ボウイとデュエットしたもので、この映像は現在クロスビーオフィシャル動画としてにYOUTUBEにアップされています。ミニコント部分から歌に移行する瞬間の、クロスビー翁のスイッチの切り替えのスゴさが面白いですね。


Mina / Bianco Natale (1968)

 それから、1968年TV出演時のミーナが歌う「BIANCO NATALE(ホワイト・クリスマス)」です。クレモナ育ちのイタリア娘・ミーナは、てりとりぃ読者にはお馴染みのドイツ娘・カテリーナ・ヴァレンテと双璧をなす、欧州の生んだマルチリンガル・ディーヴァですが、日本ではもちろん「月影のナポリ」や「砂に消えた涙」のシンガーとして有名かと思われます。いやー奇麗ですねえ。タメ息出ますねえ。

*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。


 例年通り「明石家サンタ」をひとりでエンジョイした12月24日でした。もちろんプレゼント交換〜なんていう慣習とは無縁の世界で生活していますから、当方にはクリスマスはどうでもいい事柄ではあります。でもガソリンスタンドの店員のオジサンがサンタの格好をしてたのには笑いましたけど。皆さんのお手元には、サンタさんからのプレゼントは届きましたか? それは「すっごく欲しかったもの」でしたか? というわけで、今回はザ・スミス往年の名曲をテーマにお届けします。(2011年12月25日更新分/選・文=大久)


John Lewis Christmas Avert 2011

 ジョン・ルイス、というイギリスの大手デパートがあります。毎年ギフト・シーズンになるとそれ向けのCMを発表するのですが、毎年話題になります。で、今年のそのCMはいい年コイたオッサンに分類されるような当方でも「ムハー!」とならずにいられない「胸キュンもの」でした。こちらの動画が1分半のCMフルバージョンになります。勿論CMの内容も胸キュンですが、曲が反則です。ザ・スミス1984年の超名曲なんですが、ここで歌ってるのはSLOW MOVING MILLIEという名義の女性アーティストによる、新録音カヴァーです。


Slow Moving Millie / Please Please Please Let Me Get What I Want (2011)

 で、こちらはその曲のフル・ヴァージョン。歌詞のことを言い出したらキリがないのでここではやめておきますが、SLOW MOVING MILLIEというのは実は変名プロジェクトでして、歌っているのはアメリア・ワーナーというリヴァプール生まれの可愛らしい女優さんです。音楽活動をする際に彼女はこのSLOW MOVING〜という名義を使用するのですが、とにもかくにも今年のクリスマス・シーズンにイギリスで最も話題となった曲になりました。
Clayhill / Please Please Please Let Me Get What I Want(2005)

 実はこの曲は5年ほど前にも英国で話題となりました。それは映画『THIS IS ENGLAND』(2006年)でこの曲が使用されたからです。サントラ盤ではクレイヒルという3ピースのアコースティック・グループが演奏したのですが、映画がイギリスでその年の賞を総なめしたこともあり、この曲にも脚光が集まりました。映画自体が「1983年のイギリス」を舞台にしたもの、ということもあって、ドンピシャのセレクトだったとも言えるかもしれません。


Ohm Guru / Please Please Please Let Me Get What I Want (2002)

 というわけで、ネオアコ世代にはバイブル的な曲でもある「PLEASE PLEASE PLEASE〜」ですが、最後にもうひとつこの曲のカヴァーを。イギリス出身ですが、イタリアのイルマから作品をリリースしたOHM GURUというクラブ・ジャズ系のグループによる、2002年のカヴァーです。ジャケがすでに胸キュンモノですが、ピアノ・ジャズのスタイルで件の曲をカヴァーしています。

*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。


「メトロポリス」(フリッツ・ラング監督/ドイツ作品/1927年公開)は今更言うまでもない程のサイレント時代の大傑作ですが、現在にいたるまでそのオマージュ的作品や、同作品にインスパイアされて制作された作品が数多く存在するなど「波及効果」も絶大です。手塚センセイが1949年に同名漫画(2001年に映画化もされました)を執筆した際にも、このラングの映画に影響を受けたことを隠さずに公言していたことも有名ですね。そんな映画「メトロポリス」関連の動画をいくつか。(2012年1月1日更新分/選・文=大久)


Metropolis (1927) 118minutes ver.

 パブリック・ドメインとして知的財産権が放棄された、とされているこの「メトロポリス」は、1927年の初演以降様々なバージョンで劇場公開されていますが、現在YOUTUBEでもいくつかのソースを見ることができます。こちらは2時間25分版の「最長版」。細かいことはともかく、一度通して全部見てみたいという方がいれば、いいチャンスなのでお楽しみいただければと思います。


Metropolis (2011 ver) HD Trailer

 2008年、今まで全く知られていなかった同映画のフィルム素材(とはいえ25分程の素材ですが)がブエノスアイレスの映画博物館で発見されました。それを追加し、全編にわたって大幅なデジタル処理で修復されたものが「最長版/最新版」として現在DVD/Blu-Rayで発売されています。フルHD画質での予告編が公式に公開されていて、とても80年前の素材とは思えないですね。ただし新発見された部分はかなりフィルム素材の状態が悪く、他と比べるとその差異は明らかですが。
Queen / Radio Ga Ga (1984/PV)

 同映画の大ファンを公言してるジョルジオ・モロダーが私財をなげうって世界中からフィルムの断片を買い集め、自らリマスター、そして音楽もロックをあてがって84年に新たに映画化したこともご承知かと思われます。モロダー版が84年に公開されたとき、そのサントラにはクイーンのフレディー・マーキュリーがソロで参加しました。彼もこの映画に強く影響を受けた人であったらしく、同年制作されたクイーンのシングル曲「RADIO GA GA」のPV映像にも、「メトロポリス」の映像が使用されました。


MAD inspired by Lang and Bowie

 最後の動画は、「メトロポリス」のダイジェスト映像にどなたかが勝手に音楽をブっ込んでみた、というMAD作品。曲はデヴィッド・ボウイ「ダイヤモンドの犬」(74年)A面3曲のメドレーですね。この曲がジョージ・オーウェル「1984年」を元に制作されたことは有名ですが、ラング〜オーウェル〜ボウイという、時代の違う3つのクリエイターによるコラボ、と考えることが出来るかも。

*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。