2012年4月13日(金)

ヒトコト劇場 #7
[桜井順×古川タク]







音楽書専門店ブックユニオンにて
「集めたくなる栞」シリーズの配布がスタート!


 (株)ディスクユニオンが展開する音楽書専門店ブックユニオンが、明日4月14日(土)より著名イラストレーター描き下ろしのオリジナル栞を、同店での新刊書籍・雑誌の購入特典として配布を開始することになった。
 題して「集めたくなる栞」シリーズ。著名イラストレーター5名が音楽をテーマに描き下ろした栞を、新刊書籍・雑誌の購入特典とし

て進呈(毎月5種類×12ヶ月=60種類)、さらに手塚治虫商業誌デビュー作4コママンガ「マアチャンの日記帳」からセレクトした作品を、ブックユニオン各店での手塚治虫フェア開催を記念して無償にて配布(毎月1種類×12ヶ月=12種類)するもので、これはモノの収集文化を大事にするディスクユニオンが、昔からありながらもその利用価値を引き出せていない栞にスポ

ットライトを当て、栞にコレクション性を持たせ、読書生活をより楽しくすることを目的にスタートさせる企画である。
 シーズン1と銘打たれた今期は、井筒啓之、宇野亜喜良、小澤一雄、信濃八太郎、古川タクの5人による描きおろしで、なかでも宇野、古川の両氏は本誌読者にはお馴染みのアーティスト。宇野氏は楽器を手にした少女を月替わりで、古川氏は描き下しの4コママンガを連載する。
 ディスクユニオンのサイト内にシリーズの特設ページもオープンしているので、興味を覚えた方はそちらで配布日などをチェックのうえ、是非ともお店に足を運んで欲しい。
 なお、前述の手塚治虫フェア終了後もコーナーは常設されるとのこと。
︵戸里輝夫=ライター︶
「集めたくなる栞」シリーズ情報はこちら http://diskunion.net/book/



ウチの本棚
[不定期リレー・コラム]第1回:大久達朗の本棚

 言い出しっぺからまず、というのはどんな場合も鉄の掟なわけで、まずウチの本棚を紹介することになりました。このリレー・コラム「ウチの本棚」は、業務連絡20%&世間話80%という濱田編集長との一本の電話から始まっています。「リレー連載みたいなの、やりたいね」「じゃ各々が寝る時に着てる服でもテーマにしましょうか。僕はスウェットなんスけど」「いやー、そんな文章読んで面

白いかなあ?僕はフツーにパジャマだけど…」「んー、じゃあ本棚の紹介するってどうスか?ちなみにウチには本棚がないですが」「あ、でも人んチの本棚覗くのは凄く楽しいよね」…… そうですよね。パジャマという選択肢がフツーかどうかはともかく、人様の本棚の中身を拝見するのは「建物探訪」のような企画の何十倍も好奇心をそそられるテーマです。場合によっては「レコード棚」とか「クロ

ーゼット」てのもそれと同様の意味があるのかもしれませんが、とにかく本棚の中身をさらしましょう、という企画です。
 しかし前述の通りウチには本棚、正確に言えば「本専用」棚ってモノがありません。今の物件に越してきた際の最重要課題は「持ち物全部がこの部屋には入らない」こと。一時期数千冊あったマンガは廃棄対象リストの筆頭に挙げられることとなり、同時にそれまでの本棚もすべて処分することに。以来マンガは基本的に文庫版しか買わなくなりました。写真に映っている棚(無印良品の組み立てシェルフ)は奥行きが40センチ弱あり、その奥行きに3列に本が収納されています。つまり、一番手前の「蒼茫の大地、滅ぶ」を取ればその奥から「沈黙の艦隊」全巻が、さらにそれを取れば

奥から「ドカベン」全巻がお目見えするという具合です。我が家ではレコードもCDもギターアンプも電子レンジも全てこの棚に収納させています。だから「本棚」がないのです。
 以前のような収集欲もなくなり、随分処分したことでスリム化された我が家の本ではありますが、この棚が置かれているのは台所。本もそうですが、剥き出しでギターを台所に置くなど狂気の沙汰です。わかって

はいるのですがスペース的に仕方ありません。
 「量が大事なんだ、量が」と言ったのは故・上村一夫ですが、その発言は「所蔵量」を指したのではなく「仕事量」を指して使われた言葉でした。所変われど10数年来の我が家の守り神でもある上村の色紙を見る度に「捨てるべきものは何か」を自問自答していますが、問題は今も解決できていません。
(大久達朗=デザイナー)



てりとりぃアーカイヴ(初出:月刊てりとりぃ#11 平成23年1月22日号)
古書とスイーツの日々[本の匂いで時間旅行を の巻]

 音楽は時として古い記憶を呼び起こすタイムマシン的な役割を果たす。それはつまり聴覚による作用ではあるが、同じ事は嗅覚にも当てはまる。よく言われるのが、香水の香りで昔の女(男)を… なんていうヤツ。ここではそんな色気のある話題には一切触れず、本の匂いについて書きたい。
 恥ずかしながら、典型的な一人っ子で人見知りだった幼少期の私は、本が一番の友達であった。とはいっても決してガリ勉ではなく

て、何でもいいから傍らに本があることで安堵感を抱く子供だったのだ。今思うと「男の子は外で遊ばんかい!」と後ろから蹴飛ばしてやりたくなるけれども。
 そうして本を愛でていると、それぞれが違った匂いを発していることに気がつく。図鑑や百科事典を開くと、いかにも高級感溢れる香りがしたし、雑誌もジャンルによって違う匂いがあった。インクと紙の絶妙な組合わせによる仕業だろう。さすがに大人になると本の

匂いを嗅ぐ機会も激減しただけに、少年の頃の記憶は鮮烈なのである。
 漫画の単行本に例を挙げれば復刻版「のらくろ」は布張りの図入本だけに格別な芳しさだった。新書版コミックスでは、曙出版「おそ松くん全集」の匂いも赤塚不二夫の天才的なギャグとセットで記憶されている。さらに好きだったのは秋田書店のサンデーコミックス。一峰大二の「ウルトラマン」などはじつによく嗅いだ。もうひとつの老舗ブランド、朝日ソノラマのサンコミッ

クスの匂いも悪くなかった。それでも頻繁に読んでいた虫プロの虫コミックスにはなぜか匂いの記憶はなく、姉妹社の「サザエさん」もまた然り。
 かなり変態的になってきた気がするので方向を少し変えると、同じく本が沢山並んでいる場所なのに、本屋さんと図書館では全く匂いが異なるのはなぜだろう。今はあまり感じないが昔の街の本屋さんはなんだかいい匂いがした。図書館の匂いは、静けさと相俟って緊張感を醸し出す要素として、今もあまり変わってない気がする。
 食べ物の匂いを嗅ぐのは下品と言われるが、本の匂いで昔を懐かしむ行為は出来れば許してほしい。ビブリオマニアの悪癖と言われてしまえばそれまでだが。
(鈴木啓之=アーカイヴァー)



横山光輝のロボットマンガの代表作が完全復刻!
少年サンデー版 ジャイアントロボ 限定BOX


著者:横山光輝 発行:小学館クリエイティブ 発売:小学館
定価:5,670円(税込) 好評発売中 ISBN:978-4-7780-3216-6
<BOXの内容>A5判並製単行本2冊 カラー復刻原画2枚

▲『鉄人28号』と並ぶ横山光輝のロボットマンガの代表作。前半は『サブマリン707』『青の6号』の作者・小沢さとるとの強力なタッグで『週刊少年サンデー』の読者たちを熱狂させた。今回は連載時のオリジナルフォーマットのまま復刻。ファン待望の完全版BOXです。
▲悪の秘密結社ビッグファイヤに拉致された草間大作少年は、秘密基地で開発がすすめられていた巨大ロボットGR1(ジャイアントロボ)を自由に操る力を得ました。GR1は最初に声を登録した人間の命令にだけ従うように設計されていたのです。GR1を取り戻そうとするビッグファイヤと、草間少年や国連特別捜査機構との戦いがはじまります。
▲小沢さとるインタビューも収録。
▲問合せ:小学館クリエイティブ(担当:山田 03-3288-1354)http://www.shogakukan-cr.co.jp/book/b100011.html