2012年10月19日(金)

Message from やまがたすみこ
TV AGE最新作「やまがたすみこCM WORKS」発売によせて


濱田高志・完全監修によるTVエイジ・シリーズ最新作は、シンガーやまがたすみこが残したCMソング集。シンガー・デビューした73年に残された「ナショナルカークーラー73」で始まる本作は、イソジン「ただいまのあとに」や、井上鑑とのデュエット曲「好きで、いっしょで」(丸井企業CM曲)、一世を風靡したパルコCM曲

「うれしいね、サッちゃん」、そしてボーナス曲として吉川忠英とのデュオによる新録音等41曲を収録した充実の一枚。初音盤化音源も多数収録されたこのアルバムの発売に先だって、ご本人から「週刊てりとりぃ」読者のためにメッセージを頂きましたので、急遽独占公開。アルバムの詳報は後ほど改めて。(文・編集部)



ヒトコト劇場 #12
[桜井順×古川タク]


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夢の中を飛んだ仕掛け絵本「パジャマラマ・シリーズ」に夢中

 洋服屋で妻が買い物をしてるあいだ、ぼくとぼくの6歳の娘は、洒落たお店に居心地悪さを感じながら、所在なげにブラブラしているしかなかった。はやく店を出たいなあと思っていると、さらに嫌なことに、ニコニコ笑顔の店員が近づいてきた。なに勧められたって買いませんよ、無駄な接客になっちまいますよと冷ややかめの目線を注意深く送り返したものの、店員は

近くにやってきてしまった。娘に向かってしゃがみ込み「この絵本面白いんだよ」って一冊の絵本を開いた。なんだ、優しい店員さんだったのか。でもこのお父さんは絵本にはちょっとうるさいんだよ、つまらない絵本なんじゃないの、と内心では店員さんを遠ざけようとしながらチラリと様子をみてみると、店員さんは絵の上に黒いシート置いてスリスリやっている。すると

不思議なことに絵がクルクルスイスイ動いたりキラキラ光ったりするではないか。縞々のシートを動かすと目が錯覚を起こし絵が動いて見える仕掛けになっているんだって。すごい!
 「ニューヨーク・エン・パジャマラマ」って発音でいいの? フランスの本でその楽しい仕掛けもさることながらイラストレーションもとてもかわいらしい。娘はよろこんでスリスリ始めたんだけど、何回かやったら飽きてしまった。だけど、ぼくのほうがこの絵本に一目惚れ。もう絶対買ってやると決めました。でもここは洋服屋なのでこの本は売っていない。子供が飽きないように置いてあるだけみたい。だんだん天使の様に思えてきたさっきの店員さまも他の人の接客をしているから詳しく訊けないし。まあ、調べればどこか

ですぐに買えるだろうって、もう一回スリスリやってからその店を出た。
     *
 家に帰りネットで調べてみてもあまり情報はなくて電話したりメールしたりドタバタの挙句フランスのアマゾンで買った。同じパジャマラマ・シリーズでもう

一冊「ルナパーク」もあったのでそっちもあわせてご注文。数週間後、ちょっと潰れたオンボロの箱で届いたよ、フランスのアマゾンの倉庫の空気とともに。
 じっくり絵本を手に取ってみると表紙がザラザラの安っぽい厚紙だった。でもこれがいい。こういう装丁は日本の出版社じゃやらなそうだね。イラストはフレデリック・ベルトランという人でカラフルな色使いなんだけど落ち着いた風合。いい。主人公の丸顔のパパが夢の中で空を飛びまわりニューヨークやルナパークの光る世界を巡るストーリー。その世界が仕掛けでクルクルキラキラ動き光るんだ。この仕掛けの手法はオンブロシネマというのだそうだ。ほう、オンブロシネマって言葉にもなんか惹かれるなあ。オンボロなシネマ、古い白黒のコメディ映



『LUNA-PARC EN PYJAMARAMA』
『NEW YORK EN PYJAMARAMA』
『MOI EN PYJAMARAMA』
Michaël Leblond・著 Frédérique Bertrand・イラスト
EDITEUR : ROUERGUE Mars 2012 - 16.50 Euros
画みたいなイメージがムクムクわく言葉だ。そういう映画にぼくはもともと目がないんだから。
 娘に届いたよって見せても、あっそうって一瞥しただけ!いいぞ、これで完全にぼくのものになった。仕事机の横に立てかけて、ときどきスリスリやっている。

うん、これは気持ちいい。引っ込めていた童心がムクムクしてくるよ。
 最近シリーズ3冊目の「MOI」が出たばかり。いったいどうなっているのかな。届くまでがまたまた楽しみな毎日毎日。
(古田直=「ダックスープ」店主)
アメリカ/オリジナル盤を取り扱う通販専門の中古レコード店「ダックスープ」のHPはこちら



奇跡の昭和アイドル声を持つ、ちょっとだけピュアーなミルキィっ子。
高槻かなこがデビュー!


 何もしなくても自然とアヒルぐちシェイプを象る口元、ヘヴィー&ダークなメイクをしなくても、強い意志をはっきりと主張する目元。そして高槻かなこが持っている最大の武器、それは現在進行形でイマを生きる18歳の少女特有のものだ。「アタシ、媚びてませんから」という強い自我である。
     *
 「いやぁ、実はね、大阪に、スンゴい女の子がいる

んですよ」。そう聞かされたのは数ヶ月前。「もうね、絶対に〝時代を間違って産まれてきた〟ってカンジなんですよ」。聞けば、平成のJーPOP的世界観とは無縁の、まるで昭和の女性アイドルの発声でしか歌えない、そんな平成生まれのオンナノコ。実は本人は、ニコ動で昭和アイドル歌謡やアニソンにハマり、そんな歌ばかりを熱心に追い求めた結果が今のスタイルな

のだという。
 ニコ動で活躍する作曲家、「家の裏でマンボウが死んでるP」ことタカハシヨウ書き下ろしの新曲でこの9月末にメジャー・デビューした高槻かなこ。なんとカップリング曲は75年に阿久悠+筒美京平コンビによる桜田淳子「ひとり歩き」、そして78年に「ナッキーはつむじ風」主題歌となった榊原郁恵「あなたと夢とポップロック」のカヴァー。
 巷にあふれる昭和歌謡のカヴァー曲は、得てしてその歌唱の中に〝演技〟が入ってしまいがちだが、高槻かなこのケースは一切それらしき断片すら見いだせない。そして「昔のアイドルは歌も上手かったよねー」という向きの手厳しいタイプの歌謡曲ファンを黙らせるに十分な歌唱力を持っている。つまり、ナチュラルで「コレ」なのである。そ


高槻かなこ debut single
"凡常シンデレラの汁気のあるお願い"

1. 凡常シンデレラの汁気のあるお願い 2. 弱虫シグナル 3. ひとり歩き 4. あなたと夢とポップロック 5. 凡常シンデレラの汁気のあるお願い(カラオケ) 6. 弱虫シグナル(カラオケ)
VICL-36726 定価¥1,000(税込) 発売中
りゃあもう「スンゴい」を通り越した「逸材」に間違いない。
 もちろん彼女の魅力はそれだけではない。平成アニソンのトレンドを完全に網羅した新曲では、難解な構成のメロディーをまるでベテラン声優歌手かと思わせる力量で見事に歌いこなす。

そう、彼女はレトロスペクティブなアイドル像とは無縁の、見事なまでイマドキのアイドルだ。書籍「日本の女性アイドル」流の定義で言えば〝デカいウンコを自慢するタイプ〟。これこそが「完璧な平成24年の18歳」の姿なのだ。
(大久達朗=デザイナー)



【絶賛発売中】DISC COLLECTION「日本の女性アイドル」

 「てりとりぃ」執筆陣総出陣。いままでになかったタイプのディスクガイド本がシンコーミュージックより絶賛発売中。70年代〜90年代を彩った女性アイドル・シンガーを、その代表曲を収録した編集盤を中心に掲載。また、寡作故に音盤化/アルバム化されることのなかったアイドル達も、7インチを紹介することで網羅。コラム原稿も充実の1冊。

執筆:鈴木啓之/川口法博/高島幹雄/安田謙一/馬飼野元宏 ほか
監修:大久達朗
発売:シンコーミュージック 価格:2205円(税込)発売中
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=0637135



11月末発売決定!ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズの新作情報

“奇跡のリリース”と評され大ヒットを記録した『フル・サークル』から5年。ファンが待望する最新作がいよいよ完成、日本先行発売が決定! 今作でももちろん、ロジャー・ニコルス、マレイ&メリンダ・マクレオド兄妹のオリジナル・メンバー3人が集結。ロジャーが作曲しカーペンターズの代表曲となった「愛のプレリュード(WE'VE ONLY JUST BEGUN)」のSCOF版リメイクや、ネスカフェCMソングとしてお馴染のロジャー作「ワン・ワールド・オブ・ネスカフェ」のリメイク、盟友ポール・ウィリアムスとの共作曲、新機軸となるジャズ・アレンジの曲など、ファン垂涎の内容。高音質K2HD+HQCD盤、ライナー・ノーツ・歌詞・対訳付。 ビクターエンタテインメント CD:VICP-75089 2,800円(税込)

 何十年経っても、自分たちが書いた曲のSCOFヴァージョンを聴く興奮は変わらない。それは時代を超越した、私の楽しみのひとつだ。
 (ポール・ウィリアムス)

 希望と悲嘆。愛と熱望。
 ロジャー・ニコルスを現在の音楽シーンで最も特別な作曲家のひとりとして知らしめる、クラシック・スタイルで作られた新曲をリラックスして楽しんでほしい。
 哀愁漂うムードから気持ちを高揚させるアンセムまで、ロジャー・ニコルスとSCOFは、レゲエ、ジャズ、ポップス、スウィングを通じて、音楽のローラーコースター体験に誘ってくれる。
 もちろん、彼を有名にしたビッグ・バラード以外にもたくさんの聴きどころがある。
 これは現代における素晴らしい楽曲の「小さな輪」だ。
      (ビル・レーン)
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