2012年10月5日(金)

ヒトコト劇場 #11
[桜井順×古川タク]




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『ミシェル・ルグラン・シンフォニック・スペシャル・ナイト』リポート
2012年10月2日(火) 於:すみだトリフォニーホール

 『ミシェル・ルグラン生誕80年』を祝した今回の来日ツアー。その初日となった、すみだトリフォニーホールでのスペシャルライヴは、果てなき熱狂と興奮の内にその幕を閉じることになった。
 まずはルグラン自身のピアノに、ウッドベース、ドラムというトリオ編成で組まれた第一部。リハーサルで興が乗ったのだろう、開演前に入り口で配布された演目と曲順を大きく入れ替

えてのスタートとなった。祝祭の幕開けを告げる華やかな「レイ・ブルース」に始まり、続く「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」で、早くも聴衆をその香り立つセンチメンタリズムへと引き込んで行く。映画『ロシュフォールの恋人たち』においてマクサンスが未だ見ぬ恋人への思慕を綴ったこの曲を、今回ルグランは主にベース奏者ピエール・バウサエとの即興を交えた巧妙な掛け合いで

表現した。次いでマイルス・デイヴィスとの32年振りの共演盤『ディンゴ』からそのテーマ曲を自身のピアノとスキャットで。「ディンゴ・ロック」として挿入曲をドラムス、フランソワ・レゾーとの熱の籠もったセッションでグルーヴィーに染め上げて見せる。ヴォルテージの高まる中、歌われたのは情趣豊かなバラード「これからの人生」。そして一幕目の最後は「ウォ

ッチ・ホワット・ハプンズ」をD・エリントンやG・シアリング、D・ブルーベック風に演奏する小粋な演出で締め括った。
 いや増す期待の中、新日本フィルを伴っての第二部は映画『シェルブールの雨傘』組曲で豪壮に幕を開く。劇中歌が矢継ぎ早に奏でられ、一瞬のち、荘厳に立ち現れる「アイ・ウィル・ウェイト・フォー・ユー」の感動的な旋律。次いで映画の名シーンを彩った美しい楽曲が間断なく奏されて行く。この日のハイライトは間違いなく、全編16分に渡るこの演目であったろう。
 たおやかなオケをバックにルグランが自慢の喉を披露する「リラのワルツ」、ブライトなピアノの音色がストリングスと解け合う「ブライアンズ・ソング」を経、プログラムは細君カトリーヌ・ミシェルを迎え

ての「おもいでの夏」「愛のイエントル」へ突入する。カトリーヌが流麗に爪弾くハープと壮大なオーケストラとのダイナミクス。後者は特にその練りに練られたアレンジの妙味が聴衆を恍惚とさせた。本編最後の演奏となる「風のささやき」はルグラン自身の弾き語りに始まり、オーケストラ~ジャズとパートが進行、最後は限りなく即興に近いルグランのピアノ独奏~オーケストラを伴っての終結、と神業的な展開を見せる。

鳴り止まない拍手の中「アイ・ウィル・ウェイト・フォー・ユー」の弾き語りアンコール。そして、遂にはスタンディング・オヴェイションにまで及んだ拍手に応え「異例」のダブルアンコール。ルグランは最後に「世紀末の香り」を弾き語った。正しくメモリアルとなったこの日、これがマエストロの極めて素晴らしいステージのひとつとなったことに疑いはない。
(関根敏也=リヴル・アンシャンテ)
Photo:Takuo Sato 協力:ブルーノート東京

ミシェル・ルグラン ブルーノート東京公演 開催迫る!

 昨年行なわれたブルーノート東京の公演では、会場に充満する熱気と客席から向けられる期待に満ちた視線に気をよくしたルグランが、興奮のあまり土壇場で演目の大半を変更するなど、まさかのハプニングで観客を湧かせた。まさにステージと客席が一体となった瞬間で、急遽変更された演目に何ら臆することなく呼応したサイドメンの演奏も実に見事なものだった。 
あれから一年、今年も再びあの興奮と感動の時間を体感することが出来る。傘寿を迎え、熟練の極みを響かせる映画音楽界の巨匠ミシェル・ルグラン。昨年と同様、ウッドベースのピエール・ バウサエ、ドラムスのフランソワ・レゾーを伴って臨むブルーノート東京公演。いよいよ今週末開催!!(文=編集部)

※残席の状況についてはブルーノート東京(03-5485-0088/http://www.bluenote.co.jp/)まで直接お問い合わせください。



特別企画展「日本のCMのぜんぶ 1953 - 2012 ―たった15秒なのに、何十年もおぼえている。」

 「アド・ミュージアム東京」は、広告とマーケティングに関する研究の振興と社会的理解の醸成を目的とする研究助成財団である公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団が、(株)電通第4代社長の吉田秀雄の生誕百年を記念して、2002年12月に開館したわが国唯一の広告のミュージアムで、館内には広告作品を公開展示する展示スペースと、広告及びマーケティングの専門図書を閲覧できる広告図書館がある。展示スペース

は日本の広告史を収蔵作品で辿る常設展示と、内外の広告賞の受賞作品展や収蔵資料による特別企画展を行う企画展示とに分かれており、企画展は年に約10回開催され、常設展示では適宜作品の入れ替えを行っているとのこと。
 現在開催中の特別企画展では、JAC(一般社団法人 日本アド・コンテンツ制作社連盟)が選出した「テレビCM500選」をはじめ、海外広告賞受賞作品など膨大な数のCM映像

を自由に検索しながら閲覧出来るほか、山川浩二、小田桐昭、宮崎晋、鏡明、佐々木宏らクリエーターが語る時代ごとのCMの変遷など貴重な展示・映像が満載。とりわけ「スター・文化人」「映画監督」「動物が主役」などカテゴリで分けられた作品コーナーは、ただ懐かしいだけでなく、新鮮な驚きと共に楽しめること請け合いだ。我が国にけるCM

音楽の開祖・三木鶏郎を特集したコーナーもあり、これまで一部の書籍やCDでしか知り得なかった作品も映像付きで手軽に楽しめる。また物販コーナーでは、筆者が監修を手掛けている〈TVエイジ〉シリーズの諸作も取り扱われており、そのほかCM関連書も豊富に揃っている。
 実際、いくら時間があっても足りないくらい充実し

た展覧会なので、是非とも足を運んで頂きたい。しかも入場は無料。ちなみに特別企画展の会期は今月14日までなので、くれぐれもお見逃しなく。
 なお、現在発売中の「レコード・コレクターズ」誌では、筆者の連載「TV AGE ブラウン管のなかの音楽職人たち」にて公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団事務局次長で「アド

特別企画展 
日本のCMのぜんぶ 1953−2012 〜たった15秒なのに、何十年もおぼえている。

2012年7月28日(土)~10月14日(日)
*入場無料
[主催]公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団/一般社団法人 日本・アド・コンテンツ制作社連盟 (JAC) 
[協力]社団法人 全日本シーエム放送連盟/株式会社 宣伝会議/株式会社 電通クリエーティブX
アド・ミュージアム公式ホームページhttp://www.admt.jp
・ミュージアム東京」の副館長を兼任されている内田誠二さんへのインタビューが掲載されている。併せてご覧頂きたい。
(濱田高志=アンソロジスト/写真・キナミケイコ)





完全生産プレス盤! BUZZ(バズ)デビュー40周年記念紙ジャケット・コレクション

デビュー40周年記念、キング時代のアルバム全7タイトルを紙ジャケ&高音質でリイシュー!
各¥2,500(税込) 発売:キングレコード

●『BUZZ』 (KICS-91808) ●『BUZZ LIVE!』 (KICS-91809) ●『レクヰエム・ザ・シティ』 (KICS-91810) ●『君を迎えに来たよ』 (KICS-91811) ●『風のゆくえ~WE LOVE POPS』 (KICS-91812)
『A new day A new time』 (KICS-91813) ●『バズ・バザール』 (KICS-91814)

てりとりぃ×宇野亜喜良
コラボレーショングッズ 第1弾
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