てりとりぃ放送局アーカイヴ(2013年9月13日〜2013年9月27日)

 世界中の甘党の方々は、やはりTV-CMに感化されてその日の摂取カロリー数を一気に上げたりするのでしょうか。それはともかく今回の「放送局」はまたまたチョコレートのTV-CM特集。ただし今回は海外の面白いチョコCMを集めてみました。んー、日本ではあまり考えられないCMばかりで興味深いですね。また、視聴対象を結構アダルト層に向けたと思わしきCMが多くて、そのあたりも関心させられます。(2013年9月13日更新分/選・文=大久)


Cadbury's Gorilla Advert (2007)

 こちらのCM、曲はフィル・コリンズ「IN THE AIR TONIGHT」(80年)ですが、ゴリラを見た瞬間に、ヘッドフォンをしたお猿サンが登場するSONYウォークマンのCMを思い出した方も多いのでは。ただ、あのSONYのお猿さんCMとはちがってこちらのCMではちゃんとオチがついている、というあたりが異なりますね。余談ですが70年代末に「ゴリラ・ドラム」っていう音楽用語がありまして、それを命名したのはデヴィッド・ボウイという人でした。

Cadbury Bournville (2013)

 そのキャドベリーズの最新CM。同社は1824年創立というイギリスの菓子メーカーの老舗で、一時期は同ブランドの日本法人もあったそうです。ところで「そんなに甘くない」をカケ言葉として使ったこちらのCMですが、んー、やっぱり女性というのは世界中どこでも同じですねえ。字幕も出てるのでお分かりいただけるかと思うのですが、子猫のカワイさに熱狂する2人と、そんな話題に全くノレない2人。そう、そのどちらも「女性」らしい所作でもあります。勉強になります。

Mars Bar TV advert (2012)

 マーズバーはもう日本でもおなじみですね。当方にとってはマーズバーといえばそれはもうマリアンヌ・フェイスフルなしでは語れないワケですが(笑)、それはともかく昨年の同品のTVCMには、なんとグレン・ジョンソン、ロビン・ファン・ペルシ、セオ・ウォルコット等ホンモノのプレミアリーグのスター選手が出演し、こんな豪華なCMとなりました。いいですね、イギリスらしい、ですよね。ジャンプして足裏でクリアする技は、イングランドサッカーファンなら誰もが知る伝説のスキルです。

Kit Kat Goes To Space (2012)

 こちらも日本でおなじみ、ネスレのキットカットですが、昨年「宇宙に行っちゃった!」というキャンペーンをやりました。一応こちらの公式証拠動画でも確認できるように、実際に宇宙空間まで行った模様です。が、どうもYOUTUBEのコメント欄を拝見するに、「だから何?」というとってもクールな批判意見が多いようです。宇宙大好きの当方ですが、その意見におおむね賛同できますね。

Galaxy Chocolate (2013)

 今年の春に公開され、世界中の注目を集めたCM。イギリスのギャラクシーというチョコレートのTV-CMで、ご覧の通りオードリー・ヘップバーンが出演していますが、この映像は過去に存在した映像の切り貼りなどではなく、すべて新規にCGで制作されたものです。「シルクのようななめらかさですが、コットンは必要ありません(=ベタベタに溶けませんよ)」という一応モットモなコピー文が出てきますが、そんなことよりもオードリーの映像の是非に関して、世界中で論議を呼びました。



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 先日、延期されていた来日公演も無事終了したヴァン・ヘイレン。今回はそんなバンドのフロントマン、デイヴ・リー・ロスの特集です。今のほうが80年代よりもキーを高くして歌っていることにも驚きましたが、全米で最も高額なギャラを誇るスーパーバンドの歌い手であると同時に、ヘンテコな趣味やこだわりがあったりと、イマイチその本性が分からない不思議な人でもあります。80年代にVHを追い出されたダイヤモンド・デイヴは、その後どんなカンジだったのか。動画で検証してみます。(2013年9月20日更新分/選・文=大久)


Van Halen / (Oh) Pretty Woman (1982)

 まずはこちら、VH時代の傑作PVをご覧頂きたいと思います。もうね、映画監督やりゃいいのに、と思うほどに、バカっぽいことをやらせたら天下一品のダイヤモンド・デイヴですが、残念ながらこの名曲のPVは、恐らく今後TVで放送されることは2度とない、と思われます。特に日本の倫理観でいうところの差別的(とも取られかねない)表現がいくつもあるから、です。PVのラストに大どんでん返しが待っていますが、せめてそこまで見てから、倫理だナンだとか、そういうクレームは付けてもらいたいものですが。

THE RAGE BEYOND THE STAGE - HAGAR VS. ROTH

 85年にバンドを追い出された初代ボーカリストのデイヴ・リー・ロスと、その後釜に座るもやっぱり追い出されて(96年)しまった2代目ボーカリストのサミー・ヘイガー。なんと恐ろしいことに、2002年に「サム&デイヴ・ツアー」と銘打って、この2人はジョイント・ツアーを行なっています。が、質実剛健な2代目と、ダイヤモンドな初代では、ウマがあうはずも無く、ほどなく決裂しています。やっぱりね。その模様をドキュメンタリーとして映像を残していることもさらに驚くわけですが。

David Lee Roth Interviews Eddie & Alex Van Halen (Part 1 / 2012)

 デイヴがヴァン・ヘイレンに正式に復帰したのは2007年、以来世界中をツアーしてガバガバと儲けている(笑)のはご承知の通りですが、前述通りギャラが世界一高いので、呼べる国/場所はやはり限られているようです。こちらは2012年、再度の世界ツアーに出る際に収録された、オリジナル・メンバー3人によるインタビュー動画パート1(パート2はこちら)。業界の裏話とか、あんとき実はこうだった、みたいな裏話満載です。でもね、当方のようなオッサン・ファンにとっては、この3人がこんなに近い距離で横並びで話してるのを見るだけでうれしいモンなんですよね。

The Roth Show: Episode 15: A Personal History with Professional Wrestling Part 1

 さて、ここからは完全に趣味の世界。彼は2012年の秋以降、THE ROTH SHOWと題してオリジナル動画コンテンンツの無料配信を行なっています。こちらはその第15回、デイヴ・リー・ロスが「プロレスの歴史を語る」という珍妙な動画。アメリカン・プロレスの歴史は日本のソレとは全く違う、長くて深ーい歴史がありますが、その語り手として彼はふさわしい人物かも知れませんね。でも彼の口から「ブルーノ・サンマルチノ(人間発電所、のコピーで有名)にはビックリした」とか聞かされるとこちらがビックリしてしまいますが。

50 RIDES ON THE LOVE TRAIN

 こちらも公式に配信された動画ですが、オージェイズ72年の大ヒット曲「LOVE TRAIN」にあわせて、50回連続で踊ってみた、という動画。オージェイズを2時間半も聞き続ける人が一体世間にどれほどいるかは分かりません。今すでに58歳になるダイヤモンド・デイヴですが、やっぱりバカですねえこの人(笑)。まったく意味を持たない動画ではありますが、最高に愛すべき人だ、ということはお分かりいただけるかと。



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 ギターという楽器は本来爪弾くものです。が、ある時期からギターをパカパカと叩きまくって音を出す、という愚か極まりない行為が一部で大流行しました。いや、別に何が正しいか正しくないか、とかを語るつもりも無いのですが、そんなヘンテコな行為に夢中になり、のめり込んでしまったギタリストの亜流とも言うべき演奏を集めてみました。まあ、楽しけりゃなんでもいいんですけどね。(2013年9月27日更新分/選・文=大久)



Vittorio Camardese on Italian TV (1965)

 俗に「タッピング」と呼ばれるこの奏法は、エディー・ヴァン・ヘイレンというギタリストが発明したワケではなくて、60年代には既に存在していました。ジャズではタル・ファーロウ等がそのプレイで一応知られたりもしていますが、それで脚光を浴びたワケではありません。で、こちらはヴィトリオ・カマルデーゼというイタリア人ギタリストが、まるでEVHかよ、というほどにド派手にタッピングを披露している65年の映像。驚くべきは(タッピングにはまるで向かない)クラシック・ギターを使っていることです。

Stanley Jordan on Letterman SHow (1988)

 ピロピロとタッピング(日本では昔、ライトハンド奏法と呼ばれましたが、今ではその呼称は使われなくなりました)、といえばHR/ヘビメタの世界での常套スキルとなりましたが、ジャズの世界ではスタンリー・ジョーダンという奇人プレイヤーを生み出すことになりました。んー、やはり見てるとそれなりに楽しいのですが、アルバム全部をコレで演られても、さすがにアキます(笑)。

Sam Meador / Kids (Slap Guitar Cover)

 日本でも押尾コータローというアコギ・タッピングの人気プレイヤーが登場して以来、この奏法はアコギでも重要なスキルのひとつとなりましたが、こちらはサム・ミードーさんという無名のギタロストがアップロードした動画。エレクトロ・ロックとも呼べそうなバンド、MGMTによる大ヒット曲「KIDS」(09年)をアコギでカヴァーした、というものです。両手を駆使して、という表現がピッタリですね。バカ上手です。でもねー、何かやっぱり間違ってる気がするんですよね、個人的には(笑)。

While My Guitar Gently Weeps with Chapman Stick

 以前もチラリと書いたことがありますが、タッピング演奏のみに特化した「チャップマン・スティック」という新しい楽器があります。74年に販売が開始されましたが、有名になったのは80年代、キング・クリムゾン(当時)のトニー・レヴィンが使用して以降の話です。動画はこの楽器を使ったデモ演奏。もはやギターとは呼べない楽器ですが、そういえば以前知り合いの楽器屋の店員と「スティックを演奏して自慢になるのは楽器屋の中だけ」という話題で盛り上がったことがあります(笑)。

Lexii Lynn Frazier / Eruption (Tapping Section)

 オマケ動画。可愛い過ぎる素人HRギタリスト、としてYOUTUBE界隈で人気のお嬢さんによる、EVHのカヴァー。もう、正直言ってギターがどうとか関係ないですね(笑)。他の部分に目が行ってしまうのは、世界中の皆さんが同様かと思われます。


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