てりとりぃ放送局アーカイヴ(2013年11月15日〜2013年11月29日)

 毎年恒例になりましたね。今年も英大手デパート「ジョン・ルイス」のクリスマスCMの季節がやってきました。当コーナーでこの動画を紹介し始めた2年前はそんなでもなかったのですが、いまや当方のみならず世界中のCMファンがこのシリーズを楽しみにしているらしく、今年のXマスCMは公開したその日だけでYOUTUBEにて150万アクセスされる、という事態になっております。そんな大きな注目を集める最新CMを含めた「ジョン・ルイスのクリスマス」特集。ちなみに昨年度のジョン・ルイス特集はこちらでご堪能下さい。(2013年11月15日更新分/選・文=大久)


John Lewis Christmas Advert 2013 - The Bear & The Hare

 もったいぶらずにさっそく最新CM、といきましょう。「ウサギとクマ」と題された2013年クリスマス・ホリデー向けCMは、なんとなんとアニメーションとなりました。今年のは、ホンワカさせられる内容ですね。公式HP内にはこのCM専用ページも出来ました。今回BGMに使用されているのはイギリスの人気シンガー、リリー・アレン嬢が歌う「SOMEWHERE ONLY WE KNOW」。

Keane - Somewhere Only We Know (2004)

 で、そのオリジナル・ヴァージョンがこちら。いつもジョン・ルイスのCMは懐メロをカヴァーするのですが、今年はかなり新しめ(とはいえもう10年近く前の曲ですが)を持ってきましたね。英ロック・バンド、キーンが2004年に発表し大ヒットしたメジャー・デビュー曲です。
John Lewis Home Insurance Advert (2013)

 さて、こちらは今年の夏に公開された、ジョン・ルイスが提供する家財保険のCM。クリスマスのアニメーションCMにも通じる、コマ録り動画となってます。流れている曲はフリートウッド・マックの77年のヒット・シングル「DON'T STOP」で、カヴァーしているのはニーナ・ネスビットというシンガーで、今年「STAY OUT」というシングルでブレイクした女性。
John Lewis Never Knowingly Undersold Ad (2010)

 こちらはちょっと前のCMになりますが、2010年の大安売りセールCM。CMを見ただけじゃこれがデパートのCMがどうかわかんねえだろ、って思うような内容ですが、しっかり作られてて感心しますね。実は昨今日本でも話題になった「鉄拳 meets MUSE」の振り子アニメ(2012年公開)とそっくりな構図で映像が制作されていることにお気づきの方も多いかも。
Gabrielle Aplin live at John Lewis (2012)

 おまけ動画、その1。昨年のクリスマスCMで歌を披露したガブリエル・エイプリン嬢が、クリスマス・シーズンにジョン・ルイスの店内でインストア・ライヴを行なった模様。そりゃあ大人気のアイドル・シンガーですから店内が人だらけになるのは当然ですが、ちょうどこの季節のイギリスのムードが肌で感じられるような動画です。
John Lewis: Christmas Windows 2013

 おまけ動画、その2。おまけといいながら、まるでTVCMかよ、と思えるような素敵な編集に驚きますが。ロンドン市内、オクスフォード・ストリートにあるジョン・ルイスの店舗のショーウィンドウで、今年のクリスマス・シーズン用のデコレーションを制作・設置した模様を紹介する動画。ちなみに、クリスマス時期のジョン・ルイスの店内はこんなですよ、という素敵な動画もあります。


*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。



 2013年5月20日、ドアーズのオルガン奏者だったレイ・マンザレクがガンで亡くなりました。74歳でした。既にご承知のとおり、ドアーズはベース奏者のいないバンドだったので、彼がベース・パートも担当するという意味でドアーズ・サウンドの要であったことは疑う余地がありません。さて、そんなことが頭を過りながらも今回の特集はドアーズの「ちょっと珍しい」カヴァー集です。サイケデリック・ディケイドの象徴でもあるドアーズというバンドの影響力を、カヴァー楽曲から探ってみたいと思います。(2013年11月22日更新分/選・文=大久)


Enoch Light and the Brass Menagerie / Touch Me (1969)

 イージーリスニング界の巨匠、イノック・ライトによる、ドアーズの名曲カヴァー。ブラス・メナジェリーという楽団との共演、というクレジットでもお分かりのように、オーケストラ・スタイルでのアレンジが興味深いですね。ちなみにドアーズ「TOUCH ME」のカヴァーという意味では、こちらの音源はやはり必聴のトラック。

Buddy Rich Big Band / Soul Kitchen (1969)

 こちらもブラス・アレンジを生かしたゴージャスなドアーズ・カヴァー。ジャズ・ドラマーのバディー・リッチが1969年にウイスキー・ア・ゴーゴーで残したライヴ音源です。この曲を収録したアルバムには他にもドアーズ「HELLO I LOVE YOU」のカヴァーも収録されていて、当時ドアーズの人気と影響力がここまで広範囲にわたっていたことが伺えます。

Minnie Riperton & Jose Feliciano / Light My Fire (1979)

 ドアーズの代表曲ですから、カヴァーも山のように残されていますが、どれにしよっかなーと思慮していたらこんな動画が出てきてビックリしました。ミニー生前最後のアルバム『MINNIE』(79年)に、ホセ・フェリシアーノとのデュエットで同曲のカヴァーが残されていますが、なんとそのビデオクリップがあったんですね。この年ミニーは31歳の若さで他界しています。「ハートに火をつけて」は、そのうち気が向いたら「聴き比べ」をやってみようかな、と思ってます。

Duran Duran / Crystal Ship (1995)

 「あの」デュラン・デュランがグランドマスター・フラッシュ、スライ&ファミリー・ストーン、エルヴィス・コステロ、ディラン、イギー・ポップ、ツェッペリン、ルー・リード、パブリック・エネミー他の名曲をカヴァーしたアルバム『THANK YOU』(95年)は超傑作、と個人的に思っているのですが、その中に収録されたドアーズのカヴァーは「CRYSTAL SHIP」でした。この曲はレイ・マンザレクが08年に残したソロ・ピアノでのセルフ・カヴァー・ヴァージョンも必聴です。


George Winston / People Are Strange (2002)

 ドアーズでピアノ・ソロ、と言えば、やはりこの方をあげないわけにはいきませんよね。以前も触れましたが、熱狂的なドアーズ信者として知られるジョージ・ウィンストンは02年にウィンダム・ヒル・レコードからピアノ・ソロによるドアーズ・カヴァー・アルバム『NIGHT DEVIDES THE DAY』を発売していますが、こちらはその盤に収録された「PEOPLE ARE STRANGE」のカヴァー。ジョージ・ウィンストンはドアーズのサウンド、とりわけレイ・マンザレクの「倒錯したキーボード・サウンド」に夢中になった、とのこと。



*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。



 子供の頃から格闘技好きでしたが、PRIDEでその熱は最高潮になり、PRIDE消滅と共に己の中の火も消えてしまっておりました。しかし先日当欄にて「04年PRIDE GP」の煽り映像をチラっと掲載して以降、自分の中でまたブスブスと火がついてしまったようです。そういったワケで今回は、「世界最高峰の格闘技大会」PRIDEのために、ディレクター佐藤大輔&ナレーション立木文彦という名コンビが生み出した数々のプロモ映像を、素晴らしい選曲のBGMと共にご紹介。今、この文を書いてる人間は目から汁を垂らしながらキーを叩いています(笑)。(2013年11月29日更新分/選・文=大久)


PRIDE GP 2004 OPENING

 通常であれば格闘技のBGMは、はやりBPM早めのドカドカとケタタマしいロック(メタル率高し)が使われるのが常ですが、「60億分の1を決める」というコピーで開催された04年のGPに使われたメインテーマはサラ・ブライトマン「TIME TO SAY GOODBYE」でした。なおこの後、PRIDEとは全く関係のない某格闘家が、何の脈絡もなく同曲を入場曲に使用していますが、恥ずかしいにもホドがあります
Mirko Cro Cop vs Fedor Emelianenko PV (2005)

 「戦慄のターミネーター」というキャッチコピーを持つ、クロアチアの英雄(同国の警官でもあり、テロ対策特殊部隊の教官でもあり、そして国会議員)ミルコ・クロコップは、圧倒的な人気と実力を誇りながら、PRIDEでは結果に恵まれていませんでした。頂上にたどり着く一歩手前で、いつも残酷な結果が彼を待ち受けていました。で、時を経て遂に、というタイミングで行なわれたのが05年のタイトルマッチ。煽りVも一切のナレーションを排除した、ドラマティックなモノになっています。

Mirko Cro Cop vs 美濃輪育久 PV (2006)

 05年のタイトルマッチでヒョードルに惜敗し号泣したミルコ。翌年のGPに出場した際の煽りVがこちら。曲はFPM「DON'T YOU KNOW」。美濃輪育久という、ちょっと変わったキャラの日本人選手との試合ですが、2人ともキャラは違えど背負っているものはそれぞれに重いもの、ということが伺える煽りVです。余談ですが、PRIDEではBGMにFPMを使用する率が結構高く、そんなところもセンスを見せつけてくれます。ちなみにミルコ本人の入場曲は、デュラン・デュラン「WILD BOYS」。チャメっ気があっていいですね(笑)。
PRIDE 34 OP (2007)

 07年、明らかに裏の世界で強引な力が働き、PRIDEという格闘技イベントは屋号と権利をすべて米国の某団体に売却、その後なんら音沙汰もなくあっというまに消滅する、という結果になりました。こちらは売却直前、PRIDE最後の大会として開催された07年4月の大会のオープニング映像。過去10年間の名場面をコラージュし、BGMにはラモーンズ「DO YOU REMEMBER ROCK'N'ROLL RADIO」のカヴァー(演奏はKISS!)が使用されています。
やれんのか OP(2007)

 PRIDE消滅後、選手、スタッフともに結構な数が他団体へ流出しましたが、同年大晦日に「けじめ」としてたった1回のみ大会が催されました。残されたスタッフと選手による手作りの大会で、テレビもつかず、多くの圧力と戦いながら、2ヶ月という短い準備期間で開催されています。映像前半のBGMはアンビエント系エレクトロニカの人気アーティストKYTEの「SUNLIGHT」が、そして後半では「MAGICAL MYSTERY TOUR」のカヴァーが使用されています。後者を演奏するのはイングヴェイ・マルムスティーン&ジェフ・スコット・ソート。


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