2014年5月16日(金)

ヒトコト劇場 #42
[桜井順×古川タク]








「TVエイジ」シリーズ最新作「トリトン』(白ジャケ)が遂に発売
 

 「TVエイジ」シリーズの最新盤となる『トリトン』(通称『白ジャケ』)は、「アニメ『海のトリトン』の劇伴が聴きたい」というファンの声から制作された、アニメとしては最初期の劇伴集だ。もともとサウンドトラック盤として『海のトリトン』が78年に発売されていたが、内容はテレビ版を再構成したドラマ・メイ

ンのものだった。その後、前述のような要望により本盤が制作されるが、リリースは蛙プロダクションによる自主制作だった。またトラック自体も、音楽を担当した鈴木宏昌のコルゲン・バンドによる新録が収録された。なぜ原盤のトラックではなく新録になったかの経緯は、ブックレットに詳しく記されているが、本盤

は、いわば作曲者によるセルフ・カヴァー集といえるかもしれない。結局本盤が好評だったゆえ、わずか4カ月後に日本コロムビアからオリジナル音源の劇伴集『海のトリトン テーマ音楽集』がリリースされた。
 『白ジャケ』では、のちにザ・プレイヤーズへと発展するコルゲン・バンドが演奏を担当。当時のメンバーは、鈴木宏昌(k)、岡沢章(b)、松木恒秀(g)、渡嘉敷祐一(dr)、穴井忠臣(per)、山口真文(s)。ほかにブラスやパーカッション奏者が参加している。オリジナルの劇伴演奏者は、鈴木、市川秀男(k)、江藤勲(b)、寺川正興(b)、杉本喜代志(g)、石川晶(dr)、日野元彦(dr)など。日野以外は、72年のレコーディング当時に石川晶とカウント・バッファローズに参加

していた。日野は、江藤や杉本とザ・クーガーズ(GSの同名バンドとは同名別バンド)や、市川や杉本と杉本喜代志カルテットなどで共演していた。サックスのクレジットが無いが、おそらく村岡建と推測される。
 オリジナルと白ジャケを聴き比べてみよう。主題歌変奏曲の「GOGOトリトン〜水平線の彼方へ〜」では、オリジナルのギターはファズ・トーンだが、白ジャケではコーラスがかったモダンなトーンでプレイされている。またオリジナルでは躍動感たっぷりのベースだが、白ジャケではクロスオーヴァー色の強いタイトなベースになっている。
 ブラス・ロックな「追跡」のサックス・ソロでは、オリジナルではギターがワウを踏みながらのカッティングだが、白ジャケではアル・マッケイ・タイプのカッ

ティングになっている。ベースも1小節ごとにグリスを入れるオリジナルに対して、白ジャケではグリスを入れずにタイトなラインで構成している。
 演奏者が違うためフレーズやトーンに違いが表れ、オリジナル版とは大きな違いを感じ取ることができる。アレンジこそ大きな変化は無いにしろ、演奏者の個性が際立っている。アニメを観ていなくとも、クロスオーヴァーの一作品として聴くことが可能だ。何より、鈴木宏昌名義やザ・プレイヤーズ名義のアルバムはあっても、コルゲン・バンド単独の名義のアルバムは無いので(77年の『スキップ・ステップ・コルゲン』はソロ名義)、唯一のコルゲン・バンドの作品として貴重な一枚だ。
(ガモウユウイチ=音楽ライター/ベーシスト)



家では毎晩ポップコーンを作っています、の巻
 

 スナック菓子は食べますか?なにを食べてますか?ポテトチップス?コーンスナック? 揚げ餅?1日に何袋食べますか?たまに小腹が空いたときにコンビニに入ると、お菓子売り場が輝いて見えるので本当に困ります。クセになるほどおいしいのは結構なことですが、毎日食べていると結構なお金がかかりますし、おまけに消費税の増税ときたら… 1袋の単価が平気で100円を超えるようにな

ってしまいました。それでも僕がなんとか日々の節度を保てているのは、我が家のポップコーンメーカーのおかげです。
  僕は増税の話が出る遥か以前からお菓子を食べながら映画やドラマを観ることが毎晩の習慣になっていました。2本も3本も一気に観ることも多かったので、そうなると1晩1袋で済むはずがありません。そこで、散々悩んだ末にポップコーンメーカーの導入を決意、

家で自作することにしました。導入には6000円ほどかかりましたが、1日100円スナック代がかかると考えれば、2カ月でお釣りが来るこのプランに損はありません。
  タネは都内の大きめのスーパーを何軒かリサーチしたところ、肉のハナマサで売っているものが一番お得だとわかりました。増税後でも1キロ400円、これで3カ月くらいは余裕です。他に必要なものは、どこの家庭にもあるサラダ油と食塩だけ。買ってすぐのころは、せっかくなのでカレー粉、醤油、砂糖…などなどいろいろ試しましたが、やはりシンプル・イズ・ザ・ベスト。出来たてのポップコーンには塩が一番。せいぜいときどき粗挽きコショウを振ってやる程度で、この5年間まったく飽きることがありませんでした。

  ちなみに機械はアメリカの家電メーカー、クイジナート製のCPMー950(写真)を使っています。ボタンひとつで完全に全自動、ポップコーン好きの宿敵・不発弾はほとんど出ない優れものです。さて、この場を借りて盛大にオススメしたこの名器、年季が入って油汚れがひどくなってきたので二代目を買おうと思っていたところ、なんと日本では廃番になっていて、とんでもないプレミアがついておりました。アメリカのアマゾンで見ると49ドルだったので本体価格はほぼ据え置きなのですが、割と

かさばるこの機械を個人で輸入するとなると、この3倍はかかってしまうかも…。
  というわけで僕は今、安価で丈夫な後継機のめぼしをつけているところですが、ひょっとすると、輸入雑貨を多く置いている大型のホームセンターならばこの名器をあっさり定価で見つけることもあるかもしれません。もし見かけた場合はぜひお求めを… あ、その前に僕までご一報ください。やっぱり僕が買います。
(真鍋新一=編集者見習い