てりとりぃ放送局アーカイヴ(2017年3月31日〜2017年4月14日分)


  唐突ですが、ザ・スミスの特集です。今回は「80年代に栄華を誇ったザ・スミスの面々ははたして今何やってやがるんだ?」という特集です。同郷のクセに解散以降は裁判所でしか顔を合わせなかったというなんかスゴいことになってた元メンバーの関係ですが、さすがにいい年になって、少しずつ双方の関係も変わってきたようです。(2017年3月31日更新分/選・文=大久)


Mike Joyce : Lexus CT 200h 'Drum Roll' TV advert

 ドラムのマイク・ジョイス。彼とベースのアンディー・ルーク(後述)が90年代にメインライター2人(モリッシー&マー)を相手に裁判をおこし、数十年間4人はドロ沼に陥ったわけですが、今はもう裁判も結審し、一応の和解となってます。で、なぜか彼が最新のトヨタ・レクサスのCMに登場。「QUEEN IS DEAD」のドラムを披露してますね。



Craig Gannon : The Smiths and Morrissey

 ザ・スミスには5人目のメンバ−がいました。元ブルーベルズのクレイグ・ギャノンは1年未満の「スミス正式加入」だったために、ほぼ「なかったこと」にされてます(笑)。とはいえ上記裁判に巻き込まれなかったために、色んな場所でスミスの昔話をするという役回りに(笑)。しょうがないスね。他の4人はほぼ昔話を絶対にしませんから。


Johnny Marr and Andy Rourke : How Soon Is Now?

 ベースのアンディー・ルークはスミス解散後ベース3人(笑)というヘンテコバンド、フリーベースに加入したりしましたが、ほぼ人前での活躍はありませんでした。が、例のイザコザの和解後、ソロ・ツアーに出たジョニー・マーのライヴにゲスト参加。「古い友人で、最高のベーシスト」とか、よく言えたもんだなジョニーさん(笑)。


Johnny Marr : Stop Me If You Think You've Heard This One Before

 で、ジョニー・マーです。最近自伝を発表し、ザ・スミスに対する愛情ともう後戻りできないという心情を吐露。最近10年振りに(裁判所以外で)モリッシーと2人きりで会って、今後2人が組む可能性はないと確認し合った、なんていう恐ろしい話も。彼はある覚悟を持ってスミス楽曲を歌いますが、超満員のリキッドルームでこの曲聞いたときには泣きましたね。マジで。

Morrissey : The Queen Is Dead

 最後は御大モズ。ガン治療の件とか、小説出版とか、いろいろファンをヤキモキさせる活動を続けた彼ですが、なんとか音楽に復帰、過去最大にヤカマしいサウンドでソロ活動を続けてます。いまだにこんな歌を人前で堂々と歌う、イギリスが生んだ最大のバケモノももうすぐ60歳ですね。




*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。






  とってもプライベートなお話ですが、いや先日新しいギター買っちゃいましてね。しかも楽器店員の大反対を押し切って、好みの仕様に大改造してしまいました。「ウッセ、いいから黙って改造しやがれ」とリペアマンに伝えるのは、実はとっても心苦しいのですが、それでも満足しております。そのギターはギブソンのBBキング・モデル「ルシール」なのですが、見た目は最強にアップグレード。次は弾き手をもう少しアップグレードさせる必要がありますね。(2017年4月7日更新分/選・文=大久)

Larry Carlton & Lee Ritenour / Room 335

 そんなワケで今回はギブソンのセミアコ特集です。別にギターの仕様とかはどうでもよくて、ああそういやこんなんあったよね、と思い出していただくだけの特集です。まずは「ミスターES-335」、つまりセミアコの代名詞とも言えるギタリスト、ラリー・カールトンの「Room 335」。動画ではもう1人のLAフュージョンの巨人、リー・リトナーとの共演。ちなみに筆者はカールトンて全然好きじゃないんですよ(笑)。

Johnny B. Goode on "Back to the Future"

 おそらく世界で一番有名な「セミアコのシーン」がコレかと。タイムスリップした主人公が当時存在しなかった「歪んだ音」「ジミヘンみたいな超絶技法」を見せびらかして大暴れ、そしてそれを電話越しに聞いたチャック・ベリーがロックンロールっていう新しいジャンルを生み出した、っていうフィクションですが、そんなストーリーはともかく、赤いセミアコはR&Rの基本中の基本スよね。

Giles, Giles and Fripp / Suite No.1

 で、いきなり次が飛び道具的曲ですが。ロバート・フリップはキング・クリムゾンを結成する直前までセミアコ(ES-345)を使ってました。こちらがその345を使ったギター・ソロ曲。フリップ本人いわく「ES-345はレディー、レスポールはビッチ」。うん、上手い事いいますね。

Noel Gallagher's High Fliying Birds / Don't Look Back In Anger

 近年で最も注目を集めるセミアコ使いは、やっぱノエル・ギャラガーでしょうか。彼も赤いセミアコ使いです。今や「イギリス国家」とまでいわれる程有名になったこの曲、別にたいしたギタープレイを見せびらかすわけではありませんが、やはり「歴史と伝統のギター・サウンド」はこの名曲に書かせません。

B.B. King / The Thrill Is Gone

 さて冒頭でBBキングのことを書いたのでこちらを挙げないわけにはいきませんね。2015年に亡くなったBBですが、動画はその1年前、14年のライヴです。実は亡くなる直前までライヴしてたBB、しかも彼のセッティングは最後まで大爆音でして、アンプ(100W)のつまみはいつもフル、というとんでもないジジイでした。BBのギター「ルシール」ですが、実はたくさんのスペック違いが存在します。




*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。





  やかましいビートとシャウトでお馴染みの60年代ポップス曲「HUSH」の聴き比べをやります。「HUSH」=「静かにしろ」の意味なので、曲調と歌詞があってないようにも思えますが(笑)基本的にベタベタな恋愛ソングなので、まあそこは仕方ないかと。ビリー・ジョー・ロイヤルという米人シンガーの曲ですが、もはやオリジナルが誰かは関係ない程に他の人で有名ですね。(2017年4月14日更新分/選・文=大久)

Billy Joe Royal / Hush (1967)

 オリジナルです。しかも貴重なTVライヴ。65年に「DOWN IN THE BOONDOCKS」という大ヒット(全米9位)曲を生み出したシンガー、ビリー・ジョー・ロイヤル。彼の友人でもあるソングライター、ジョー・サウスが彼に提供したのがこの「HUSH」でした。


Kris Ife / Hush (1967)

 ビリー・ジョー・ロイヤルのバージョンはそれほどヒットしませんでした(全米52位)が、この曲は世界中の若いシンガーによってカヴァーされまくります。67年、この年からソロ・シンガーに転身したクリス・アイフが同曲をカヴァーした際にプロデュースしたのはフレディー・ロイド。モッド・ビート御用達バンド、アートウッズのソングライターでもあった人です。


Deep Purple / Hush (1968)

 なんといっても「Hush」といえばディープ・パープルの最初のヒット曲として知られていますよね。前述したアートウッズというバンド(ロン・ウッドの兄アーサー・ウッドのバンド)のキーボード担当はジョン・ロードでしたから。まあ当然の選曲でもあります。


Johnny Hallyday / Mal (1968)

 パープルの「Hush」は全米4位の大ヒットとなったので、以降世界中のシンガーがこのサイケR&B曲を取り上げました。こちらはフランスの伊達男、シルヴィー・バルタンの旦那さんでもあったジョニー・アリデイによるカヴァー。それにしてもこの曲のジャケ、凄い事になってますよね。


Kula Shaker / Hush (1997)

 イタリアン・プログレの雄PFMが前身バンド時代にカヴァーしてたり、他にもメキシコのロック・バンドのヤキ、パートリッジ・ファミリー、ディスコのサンタ・エスメラルダ、(「Girl You Know It's True」で知られる)ミリ・ヴァニリなんていう人達のバージョンもあります。でも最後はやっぱりクーラ・シェイカーで。レイト60S感丸出しでカヴァーした彼らのこのヴァージョンは、なんと同曲最大のヒット(2位)になりました。スゴイですよね。





*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。